どうも、皆さん。
看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。
看護師の専門知識と経験を活かし、現在は某大手ドラッグストアで働いています。
《注* “医薬品登録販売者”とは…》
・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師
・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い
詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。
前回の記事でピックアップした『便秘』同様、下痢は、誰しもが経験し得るトイレ方面の悩みの1つ。
「突然お腹が痛くなって、トイレに駆け込んだ」
「冷たい物を食べ過ぎちゃって...」
「もしかして、食べ物にあたったかも...?」
「お腹が下って、しばらくトイレから出られなかった」
「胃腸風邪で、下からドバドバ出てしんどい...」
↑そんな経験はありませんか?
今回は、そんな時に活躍する“下痢”の薬《下痢止め》についての記事をお届けします!
臨床でよく見かける”下痢止め”の1つがコチラ。
腸管の神経系受容体に働きかけて、アセチルコリンの分泌を抑える→腸管の運動を抑える
...という仕組みで、下痢をビシッと止める薬です。
この成分が配合された製品は、市販薬にも存在します。
急な下痢に対応するため、水なしで飲める工夫がされている製品もありますよ。
ロペラミド以外にも、腸管の動きを抑える薬があります。
有名な市販の下痢止めにも配合されていますが、
様々な作用を持つため、後日改めて解説していきます。
(早く知りたい方は『抗コリン薬」で検索!)
ツライ下痢を止めるのに役立つ薬ですが、感染による下痢には使用NG!
腸の動きを止めてしまうと、下痢の原因となっている有害なモノが排出されず
かえって治りが遅くなってしまいます...。
また、薬がよく効いて、逆に便秘になる事も。
痔など、便秘を避けなければいけない人は特に要注意!
服用中は、お通じの状態をよく観察して
ダラダラと連用しないように注意が必要です。
あと、眠気が出る事もあるので、服用中の運転はNG。
コチラも、臨床でよく見かけるタイプの”下痢止め”。
腸粘膜のタンパク質と結合して、膜を作って腸粘膜を保護
→炎症や腸への刺激を抑える事で、下痢を抑える…という仕組み。
市販薬としても広く使われている成分です。
“ロペラミド”同様、感染による下痢への使用はNG。
また、牛乳由来の成分を含むため牛乳アレルギーの人は使用できません。
腸管内の有害物質や過剰な水分・粘液を吸着して、下痢を止める薬です。
飲みやすいように味付けされた市販薬も存在します。
他の下痢止め同様、感染による下痢への使用はNG。
コチラの成分は“アルミニウム”を含むため、透析を受けている人は使用できません。
腎障害のある人は要注意!
(“アルミニウム”の排出が遅れ、体内に蓄積する恐れアリ)
また、一部の薬との相性が悪く、作用を減弱させる恐れがあります。
下痢は、有害なモノを早く排泄するための防御反応でもあります。
「しっかり出し切ったら、下痢が治まってきた!」なんて経験はありませんか?
下痢の原因によっては、薬で止めると
かえって治りが遅くなってしまう場合も…
だからこそ、下痢は”原因”の見極めが重要です。
感染が疑われる場合には、下痢止めは安易に使わず、水分補給をしつつ
整腸剤を使って様子を見る…という手もアリ。
(腸の動きを止めず、腸内環境を整えてくれる)
整腸剤は、効果は穏やかですが“便秘”への効果も期待できるので
結構侮れないですよ〜。
市販の下痢止めはシンプルなモノから様々な成分が配合されたモノまで色々あります。
「急に下痢になっちゃった!どの薬が良いのかな…」と
お悩みの時は、“薬剤師”や“医薬品登録販売者”に是非声を掛けてみてくださいね!