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スッキリ不足に悩む人多し? 《便秘》のクスリ【元ナースな医登販のクスリな小噺:第9回】

スッキリ不足に悩む人多し? 《便秘》のクスリ

どうも、皆さん。

看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。

看護師の専門知識と経験を活かし、

現在は某大手ドラッグストアで働いています。

 

《注* ”医薬品登録販売者”とは…》

 ・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師

 ・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い

 詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。

スッキリ不足に悩む人多し? 《便秘》のクスリ

身近なトイレ方面のお悩み【便秘】

 

便秘は、誰もが経験し得る

トイレ方面の悩みの1つ。



「最近、出てないような…」

「長くトイレに座って頑張らないと、なかなか出ない!」

「出たはいいけど、硬いヤツしか出ないな〜」

「出しても、何だかスッキリしなくて…」

「便秘がひどくて、肛門切れた!」

 

↑のような経験はありませんか?



今回は、そんな時に活躍する

“便秘”の薬(下剤)についての

記事をお届けします!

 

THE☆水分を引っ張れ【酸化マグネシウム】

臨床でも“引っ張りダコ”な

とてもよく見かける下剤の1つがコチラ。

 

 

便は、腸に長く居座り続けると

水分が吸収されて

カチコチに硬くなり、

出しづらい状態になってしまいます…。

 

 

酸化マグネシウムは、

浸透圧の差を利用して

腸管内に水分を引き寄せます。

 

その結果、便を軟らかくして

スルッと出しやすくしてくれるんです!



★《酸化マグネシウム》を使うメリット

 

・量を調節しやすい

・副作用が少なめ (安全性が高め)

・クセになりにくい  (耐性を生じにくい)

・腹痛を起こしにくい(腸を直接刺激しない)



メリット多めな酸化マグネシウムは

臨床現場で使われる他、

市販薬も存在します。

 

酸化マグネシウムを含む市販薬は、

 

・商品名が割と直球

(“マグネシウム”と記載がある)

 

・『お腹が痛くなりにくい』『クセになりにくい』等の

 キャッチコピーが書いてある

(非刺激性である事をPRしている)

 

…等の特徴を持つことが多め。



★《酸化マグネシウム》こんな場合は要注意!!

腎機能が悪い場合は要注意!

薬の体外への排泄が上手くいかず、

体内にマグネシウムが蓄積されてしまいます...。

 

また、一緒に使った時の

相性がよくない薬が一部あります。

(一緒に使った薬の作用に影響を与えてしまいます...)

 

医療用医薬品を使っている際、

たまたま便秘になってしまったので

何か市販薬を使いたい…

そんな時には、主治医や薬剤師に相談を!

 

刺激的な【大腸刺激トリオ】

コチラも、臨床では

よく見かけるタイプの下剤です。

 

大腸の動きが鈍くなると、

便が上手く排出できなくなってしまいます…。

 

 

大腸を刺激するタイプの“刺激性下剤”は、

腸管を刺激する事で蠕動運動を促し、

排便を促進します。

 

作用発現時間の関係上、

内服のタイミングは

“就寝前”に設定される事が多いですよ。



①センノシド

 

 

『センナ』という植物に由来する成分がコチラ。

(植物由来だからと言って、侮るのはNG!)

医療用医薬品で有名なのは『プルゼニド』というお薬。

 

市販の下剤としても使われている成分です。

錠剤だけでなく、変わり種として

ティーバッグタイプ(やかん・鍋で煮出して飲むタイプ)も

ありますよ。



②ピコスルファートナトリウム水和物

 

 

腸管を刺激する作用に加え、

腸での水分吸収を阻害する作用を持つ成分です。

《大腸刺激トリオ》の中では、

比較的作用は穏やかな方。

 

医療用医薬品で有名なのは『ラキソベロン』。

液体タイプは、滴下数で量を調整しやすいので

とても便利♪

 

市販薬でこの成分を含む製品は

とても少ないですね…。(理由は不明)



③ ビサコジル

 



ピコスルファート同様、

腸管を刺激 + 腸での水分吸収を阻害する作用を持ちます。

医療用医薬品で有名なのは

『テレミンソフト』という坐薬。

 

一方、市販薬では錠剤タイプ。

胃で溶けると刺激になるため、

腸で溶けるように設計されてます。

(“腸溶錠”と言います)

 

ピンク色の錠剤である事が多いためか、

この成分を含む製品は

ピンクを基調とした箱に

入っているパターンが多いですよ。(一部例外アリ)



★【刺激性下剤】こんな点には要注意!!

 

 

大腸を刺激するため、副作用として

腹痛・腹部不快感を生じる事があります。

 

また、長期連用すると“耐性”を生じて、

薬が効きにくくなってしまう

恐れがあります…。

なので、「どうしても出ない!」

という時の切り札として、

短期間の使用に留めるのがベスト。

 

…なんですが、どうしても

連用されがちな現状もあったりします。

(特に市販薬!)

 

今スグ出したい時の《奥の手》

内服薬は、効き目が出るまでに

どうしても時間がかかりがち。

 

「いやいや、そんなに待てないし…」

「今すぐにでも便秘を解消したい!」

 

そんな時には、直腸にダイレクトに効く

"浣腸" "坐薬”という手段があります。



① 浣腸 《グリセリン浣腸》

 

 

直腸内で水分を吸収して、直腸を刺激

 + 便を軟らかく、出しやすくして

排便を促します。

 

注入した後、3~10分程度待って

便意が強くなってから

排便する…というスタイル。

(人によって、我慢の時間はまちまち)

速効性があるのが◎。



★“浣腸”の注意点

 



液を肛門から体内に入れるだけ…と

一見簡単そうな手技に見えるけど、

トラブルや注意すべきポイントは多め。

(詳しくは『看護技術』の授業で学びます)

 

浣腸後は、

 

・急激な血圧変動

・めまい

・ふらつき

・顔面蒼白

・冷汗

 

…などに要注意!!

(詳しく知りたい方は『迷走神経反射』で検索)

 

また、他の刺激性下剤と同様に

長期連用はNGです…。

(耐性を生じるため)

 

市販の浣腸は、安全に使ってもらうため

医療用と比べて薬液の1回量が少ない…等の

工夫がされていますよ。



②坐薬 【新レシカルボン】

 

 

直腸内に挿入すると、腸内で炭酸ガスが発生します。

そのガスが腸を刺激して、排便が促される…

と言うのが坐薬の効く仕組み。

 

コチラの使用後の待ち時間は、10~30分程度。

浣腸と比べると待ち時間が長めだけど、

禁忌事項は少なめです。

 

コチラも市販もされています。

「すぐに出したい!でも、浣腸はちょっと抵抗が…」

そんな人にオススメです。



刺激性下剤や浣腸は

効果がしっかり感じられる分、

ついつい常用してしまっている方は

少なくないように見受けられます…が!

 

耐性を生じてしまうと

今までと同じ量では効果が弱くなるため、

次第に下剤の使用量が増えて…

『薬ナシでは便秘が解消しない!』という

大変な状態になる恐れがあります。

 

「下剤の使い方、コレで合ってるかどうか心配…」

「最近、便秘気味なんだけど…」

そんな方は是非、

薬剤師や医薬品登録販売者に

相談してみてくださいね〜。

 

作者

名   前:もずく

SNS:Twitter  Instagram

ブログ:雑記ブログ『もずくの徒然漂流記』

【プロフィール】
生息地:三重県 北中部《田舎・山》


行動範囲:【近鉄沿線メイン】愛知(名古屋)~三重~大阪


看護師経験5年【急性期(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)⇒回復期リハ⇒回復期リハ】

 ⇒育児しながらブログ
 ⇒某大手ドラッグストアの『医薬品登録販売者』(パート)
 市販薬の勉強をしつつ、ブログ書いたり、マンガ描いたりしてます。

挨拶&自己PR

 ・病棟看護師として働いてきた経験談

 ・国試にも出題され、臨床でも必須な『薬理学』
 ・医療用医薬品と市販薬の話
 ・身近なカラダの不調の話…等々、看護学生さんが『楽しく読めて、役に立つ』情報を提供していきます。
よろしくお願い申し上げます。

作者