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薬の《反復使用》にご用心 ~耐性と依存~【元ナースな医登販のクスリな小噺:第7回】

薬の《反復使用》にご用心 ~耐性と依存~【元ナースな医登販のクスリな小噺:第7回】

どうも、皆さん。

看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。

看護師の専門知識と経験を活かし、

現在は某大手ドラッグストアで働いています。



《注* “医薬品登録販売者”とは…》

 ・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師

 ・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い

 詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。

 
薬の《反復使用》にご用心 ~耐性と依存~【元ナースな医登販のクスリな小噺:第7回】

薬物を“繰り返し使う”事による影響


皆さんは、「薬物耐性」「薬物依存」という言葉を

耳にした事はありますか?

どちらも有名な言葉ですよね。

同時に、薬を学ぶ上で

重要なキーワードでもあります。


「薬物依存」は特に、小・中学校や高校で

何らかの形で話を聞いた事があるのでは?


今回は、この2つのテーマに関する記事を

お届けします。

 

薬が効かない?【薬物耐性】

薬物を連用している内に、

薬の効果が次第に減弱してしまう性質の事を

【薬物耐性】と言います。

効きにくくなったり、効かなくなったりして

非常に困った事に…。


抗がん剤、催眠薬、麻薬性鎮痛剤…等で

起こりやすいんだとか。

(詳細は今後の連載にて。お楽しみに!)


耐性が生じる仕組みとして、


①体内の薬物代謝の変化

(肝臓で、代謝酵素が増える

→薬がいつもより速く代謝されてしまう)



②作用を受ける側の変化

(薬効が減弱する方向へシフトしてしまう)


…等が挙げられます。


肝臓での《代謝》については、

第4回の記事

チェックしてみてくださいね。


(テストには出ないかもしれませんが…

肝臓で代謝酵素が増える事を、

『薬物代謝酵素の誘導』と言います。

薬の添付文書に記載される表現なので、

覚えておいて損はないですよ~。)

 

臨床現場では大問題!【耐性菌】

細菌感染症に対する治療に使われる抗菌薬。

実は、この抗菌薬に対する耐性を持った菌が存在するんです!

有名なのは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)でしょうか。


感染症の治療においては、コレは大問題!

治療が上手く進まず、症状が長引く事に…。


不適切な抗菌薬の使用が

薬剤耐性菌を発生させた原因の1つと言われています。

(詳しい話は、『抗感染症薬』の記事で

今後取り上げていく予定。乞うご期待!)

 

本当に恐ろしい!《薬物依存》

ある薬物は、連用している内に

その薬を

「もっと欲しい!」

「何が何でも摂取したい!」

…そんな状態に陥ってしまうことがあります。

(特に、麻薬・覚醒剤・向精神薬は依存を引き起こしがち)


そんな“薬物依存”の状態にある時、

精神面にも身体面にも大きな変化が生じています。


①精神面の変化

「薬を使った時の心地良い感覚や高揚感…

そんな感じのがもっともっと欲しい!」と

強い欲求、強迫的な思考に囚われてしまいます。

アタマでは『薬を使っちゃダメだ』とわかっていても、

自らの意志では薬を止められない状態に…。

↑コレ、とても病的な状態ですよね。


具体的には、

タバコをやめられない人(ニコチン依存症)が

この状態に該当します。

「吸うとスッキリする」

「次の一本が欲しくてたまらなくなる」

…らしいです。



②身体面の変化

薬の血中濃度が低下して

効果が途切れた時、

様々な身体症状が出現します。

(この症状を『退薬症状』『離脱症状』と言います)


薬によって症状は様々ですが…

アルコール依存症の場合、退薬症状として


・手や全身の震え

・発汗

・不眠

・イライラや不安

・幻覚


…等々が出現します。

結構ヤバい感じがしますね。


(薬物依存に関して、

詳しくは『精神看護学』で学びます。)

 

市販薬でも依存は起こるの?

答えは『YES』です。


問題となるのは、用法・用量を守らず

過量服用(OD)したり、

長期連用したりした場合。

実は、社会問題の一つでもあります。

(気になる方は“市販薬 依存”で検索してみよう!)


・鎮咳薬

・鎮痛剤

・鼻炎薬

・風邪薬


↑これらの一部の製品には、

『濫用の恐れがある医薬品』として

注意が必要な成分が含まれています。


該当する成分を含む市販薬の販売時には、

医薬品登録販売者や薬剤師が

積極的に情報提供をするように

ルールを設定している会社も

あるんだとか。


こう書くと、

「市販薬ってそんなヤバイ成分入ってんの?うわぁ、怖っ…」と

思われそうですが、過度に怯える必要ナシ!


・『使用上の注意』をよく読む

・用法・用量を守る

・長期連用は避ける

・しばらく使っても改善がイマイチなら受診


↑これらの事に注意すれば、安全に使えますよ。


市販薬について、何か不安や疑問があれば

遠慮なく“薬剤師”や“医薬品登録販売者”に

声を掛けてくださいね〜!

 

作者

名   前:もずく

SNS:Twitter  Instagram

ブログ:雑記ブログ『もずくの徒然漂流記』

【プロフィール】
生息地:三重県 北中部《田舎・山》


行動範囲:【近鉄沿線メイン】愛知(名古屋)~三重~大阪


看護師経験5年【急性期(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)⇒回復期リハ⇒回復期リハ】

 ⇒育児しながらブログ
 ⇒某大手ドラッグストアの『医薬品登録販売者』(パート)
 市販薬の勉強をしつつ、ブログ書いたり、マンガ描いたりしてます。

挨拶&自己PR

 ・病棟看護師として働いてきた経験談

 ・国試にも出題され、臨床でも必須な『薬理学』
 ・医療用医薬品と市販薬の話
 ・身近なカラダの不調の話…等々、看護学生さんが『楽しく読めて、役に立つ』情報を提供していきます。
よろしくお願い申し上げます。

作者