どうも、皆さん。
看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。
看護師の専門知識と経験を活かし、
現在は某大手ドラッグストアで働いています。
《注* ”医薬品登録販売者”とは…》
・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師
・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い
詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。
前回は『お薬はどこから入るの?』と題して
《薬物の投与経路》に関する記事をお届けしました。
今回はその続きとして、
「薬は、どんなプロセスを経て体外に出ていくのか…」という点を
ピックアップ。
《薬物の代謝と排泄》に関する記事をお届けします。
解剖生理学で習った方も多いと思いますが…
肝臓は、様々な仕事をマルチにこなすスゴイ臓器なんです!
薬の代謝も、肝臓の重要なお仕事の1つ。
~代謝ルート①~
酵素(CYPという)の働きで、化学反応を起こして
薬物を水に溶けやすいカタチに変えます。
~代謝ルート②~
水に溶けやすい物質(グルクロン酸など)と結び付けて、
水に溶けやすいカタチに変えます。
水に溶けやすくなった薬物は、
尿 or 胆汁に溶けて排泄されていきます。
胆汁に溶けた薬物の内、一部は何と!
腸から再吸収されてリサイクルされてしまいます。
腸内で、グルクロン酸との抱合が切り離されて
元のカタチに戻ってしまうんだとか。
出戻り復帰した薬物は、血液循環に乗って
再び肝臓に戻る事に。
そうして、体内の旅はまだまだ続く…。
この事を”腸肝循環”と言います。(何気に教科書太字なキーワード)
この出戻りルートによって、薬物は
長~く体内に留まりますよ。
長きに渡る薬物の体内の旅も、いよいよ終わりが見えてきました。
薬物の尿中への排泄に深く関わるのが、腎臓です。
アルブミンと結合してない薬物は、糸球体でろ過されていきます。
スルッとろ過されて、原尿として尿細管を旅する事に。
尿細管をまったりと通っていく間に、様々なドラマがあります。
ろ過されなかった薬物の一部が引き込まれてきたり、
ろ過されたけれど、結局再吸収されて出戻ったり…。
こうした道程を経て、最終的に
尿として体外へ排泄されていきます。
実に長き道程ですね...!
薬物の排泄ルートは、尿以外にもあります。
便や母乳、肺(呼気中)、汗、涙など
体から出ていくモノと一緒になって排出されます。
授乳中の方が薬を使う時に問題になるのが、やはり母乳。
母乳中に薬物が移行する事による
乳児への影響が心配ですね...。
中には、安全に使える薬もモチロンあるので
医師や薬剤師に要相談ですよ~。
薬の代謝・排泄において重要な臓器である肝臓と腎臓。
何らかの原因によって、この2つの臓器の機能が低下していると
薬の代謝・排泄にも影響が出てきます...。
★肝臓
薬物の代謝が遅れてしまいます。
適切に処理されないまま野放しになっていると、グングン血中濃度が上昇!
薬の作用(+副作用)が強くなる恐れがあります。
★腎臓
薬物の排泄が滞ってしまいます...。
体内からうまく出ていけずに、ドンドン蓄積。
コチラも血中濃度が上昇して、薬の作用(+副作用)が強くなる恐れアリ。
市販薬の添付文書では、透析している人や腎臓病の人が
使ってはいけない薬も。
『持病のある方は使用に注意が必要』という市販薬も
決して少なくありません。
肝臓・腎臓の機能障害など、
持病のある方は包み隠さずに(コレ大事!)
是非『医薬品登録販売者』や『薬剤師』に
相談してみてくださいね!
名 前:もずく
ブログ:雑記ブログ『もずくの徒然漂流記』
【プロフィール】
生息地:三重県 北中部《田舎・山》
行動範囲:【近鉄沿線メイン】愛知(名古屋)~三重~大阪
看護師経験5年【急性期(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)⇒回復期リハ⇒回復期リハ】
⇒育児しながらブログ
⇒某大手ドラッグストアの『医薬品登録販売者』(パート)
市販薬の勉強をしつつ、ブログ書いたり、マンガ描いたりしてます。
挨拶&自己PR
・病棟看護師として働いてきた経験談
・国試にも出題され、臨床でも必須な『薬理学』
・医療用医薬品と市販薬の話
・身近なカラダの不調の話…等々、看護学生さんが『楽しく読めて、役に立つ』情報を提供していきます。
よろしくお願い申し上げます。