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先輩ナースのほっとステーション by縁JOYナース部

お薬はどこから入るの?【元ナースな医登販のクスリな小噺:第3回】

お薬はどこから入るの?【元ナースな医登販のクスリな小噺:第3回】

お薬はどこから入るの?【元ナースな医登販のクスリな小噺:第3回】

どうも、皆さん。

看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。

看護師の専門知識と経験を活かし

現在は某大手ドラッグストアで働いています。



《注* ”医薬品登録販売者”とは…》

 ・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師

 ・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い

 詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。

薬のカタチと人体への入口いろいろ

皆さんは『薬』と聞くと、どんな形の薬を思い浮かべますか?


錠剤?カプセル?粉末?

口から入れるタイプの薬を思い浮かべる方が多いのでは?

薬の形と人体への入れ方には、様々な種類があります。

というワケで、今回は『薬物の投与経路』に関する

記事をお届けします。

★経口投与


一番オーソドックスな投与経路がコチラ。

薬を口に入れて飲み込んで、消化管から吸収する方法。

即効性は無い上に、食事内容に影響を受けやすいのがネック。

内服薬は、実に様々な姿形をしています。

錠剤・カプセル・粉末・液体...etc.

市販薬の中には、薄ーいフィルム状のモノも!

(口の中でスーッと素早く溶けちゃいます。持ち運びに便利!)

 

中には、特殊なコーティングをした錠剤や

唾液でスグ溶ける(水なしで飲める)ような工夫をした錠剤も

ありますよ。

 

さて、飲み込んだ薬は、一体どうなるのでしょう?

消化管から吸収されて、体循環に乗る前に

門脈に集まって肝臓を通るんですが...

 

その時に、肝臓で一部の薬は代謝されてしまいます。

代謝されなかった分が血液に乗り、全身を循環して

薬としての効果を発揮できます。

(コレを『初回通過効果』と言います。)

 

 

簡単に言うなら、肝臓=高速道路のインターチェンジ。

料金所も兼ねているので、お金を取られてしまうんです。

コレを無事に通過できた薬だけが、血管という高速道路を

走る事ができるんです。まさにイバラの道!

 

★舌下投与

ちょっと聞き慣れないかもしれませんが、読んで字の如く

舌の下に薬を入れて、粘膜から吸収させる経路です。


この舌下投与の利点は、何と言っても

肝臓で『初回通過効果』を受けずにスルーできる事。

粘膜の毛細血管から、ササッ!と血液に乗れちゃいます。

なので、速効性が期待できますよ。

 

★直腸内投与

肛門から薬を入れます。

入れた薬は体温で溶けて吸収され、静脈に入ります。

この直腸内投与も、実は

肝臓で『初回通過効果』を受けずにスルーできちゃいます。


何らかの理由で、経口投与ができない時に便利です。

(年齢的に薬を飲み込めない、嘔吐している、痙攣を起こしている…etc)

市販薬の中にも、小児用の解熱鎮痛剤の坐薬があります。

 

★経皮投与


皮膚に薬を塗る・貼る投与方法がコチラ。

皮膚からの吸収はゆ~っくりで、薬の効果が持続します。

市販の湿布薬の中には、持続時間が長ーいので

1日1枚で済むモノも。


軟膏・クリーム・ゲル・液・テープ剤…等々。

皮膚の病変や筋肉・関節の炎症に対して、ピンポイントに使います。

夏場の虫刺され、秋冬の乾燥肌…等、

実に多くの外用薬が市販されていますよ~。

最近は、乾燥肌の症状改善に効果のある

『ヘパリン類似物質』を含む市販薬が人気ですね。


医療用医薬品では、狭心症や気管支喘息、麻薬性鎮痛剤の

テープ剤がありますよ。

 

薬の効果発現と持続の時間

上記で取り上げた投与経路、

薬の血中濃度と時間の関係をグラフ化すると

こんな感じに↓





内服薬の薬の形態別だと、



(速い)液体・粉末 >> 錠剤・カプセル(遅い)



…という関係に。



液体や粉末は、消化管で速やかに吸収されていきます。


薬の中には、『カプセルの中身=液体やジェル』という

”ソフトカプセル”という形態があります。

外面のカプセルが溶けると、中身は液体・カプセルなので

効果の発現がちょっと速め…という変わり種です。


市販薬を「少しでも早く効かせたい…!」という時は

液体や粉末、ソフトカプセルのモノを選んでみると

良いかもしれません。



液体の市販薬はビンに入っていますが

間違っても『一気飲み』なんてしちゃいけませんよ~。


液体の薬ですが、過去に有名な市販薬絡みの事件がありまして

(気になる人は『アンプル入り風邪薬』で検索してみよう!)

液体の吸収が速く、血中濃度が急速に高くなる事が

原因だったとか。

 

お薬は用法・容量を守って、正しくお使いくださいね~。

「カプセルは苦手なんだけど…」「粉薬は無理」

という場合でも、様々な形態の市販薬がありますので

是非『医薬品登録販売者』や『薬剤師』に

気軽に相談してみてくださいね!

 

作者

名   前:もずく

SNS:Twitter  Instagram

ブログ:雑記ブログ『もずくの徒然漂流記』

【プロフィール】
生息地:三重県 北中部《田舎・山》


行動範囲:【近鉄沿線メイン】愛知(名古屋)~三重~大阪


看護師経験5年【急性期(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)⇒回復期リハ⇒回復期リハ】

 ⇒育児しながらブログ
 ⇒某大手ドラッグストアの『医薬品登録販売者』(パート)
 市販薬の勉強をしつつ、ブログ書いたり、マンガ描いたりしてます。

挨拶&自己PR

 ・病棟看護師として働いてきた経験談

 ・国試にも出題され、臨床でも必須な『薬理学』
 ・医療用医薬品と市販薬の話
 ・身近なカラダの不調の話…等々、看護学生さんが『楽しく読めて、役に立つ』情報を提供していきます。
よろしくお願い申し上げます。

作者