どうも、皆さん。
看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。
看護師の専門知識と経験を活かし
現在は某大手ドラッグストアで働いています。
《注* ”医薬品登録販売者”とは…》
・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師
・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い
詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。皆さんは『薬』と聞くと、どんな形の薬を思い浮かべますか?
錠剤?カプセル?粉末?
口から入れるタイプの薬を思い浮かべる方が多いのでは?
薬の形と人体への入れ方には、様々な種類があります。
というワケで、今回は『薬物の投与経路』に関する
記事をお届けします。
一番オーソドックスな投与経路がコチラ。
薬を口に入れて飲み込んで、消化管から吸収する方法。
即効性は無い上に、食事内容に影響を受けやすいのがネック。
内服薬は、実に様々な姿形をしています。
錠剤・カプセル・粉末・液体...etc.
市販薬の中には、薄ーいフィルム状のモノも!
(口の中でスーッと素早く溶けちゃいます。持ち運びに便利!)
中には、特殊なコーティングをした錠剤や
唾液でスグ溶ける(水なしで飲める)ような工夫をした錠剤も
ありますよ。
さて、飲み込んだ薬は、一体どうなるのでしょう?
消化管から吸収されて、体循環に乗る前に
門脈に集まって肝臓を通るんですが...
その時に、肝臓で一部の薬は代謝されてしまいます。
代謝されなかった分が血液に乗り、全身を循環して
薬としての効果を発揮できます。
(コレを『初回通過効果』と言います。)
簡単に言うなら、肝臓=高速道路のインターチェンジ。
料金所も兼ねているので、お金を取られてしまうんです。
コレを無事に通過できた薬だけが、血管という高速道路を
走る事ができるんです。まさにイバラの道!
ちょっと聞き慣れないかもしれませんが、読んで字の如く
舌の下に薬を入れて、粘膜から吸収させる経路です。
この舌下投与の利点は、何と言っても
肝臓で『初回通過効果』を受けずにスルーできる事。
粘膜の毛細血管から、ササッ!と血液に乗れちゃいます。
なので、速効性が期待できますよ。
肛門から薬を入れます。
入れた薬は体温で溶けて吸収され、静脈に入ります。
この直腸内投与も、実は
肝臓で『初回通過効果』を受けずにスルーできちゃいます。
何らかの理由で、経口投与ができない時に便利です。
(年齢的に薬を飲み込めない、嘔吐している、痙攣を起こしている…etc)
市販薬の中にも、小児用の解熱鎮痛剤の坐薬があります。
皮膚に薬を塗る・貼る投与方法がコチラ。
皮膚からの吸収はゆ~っくりで、薬の効果が持続します。
市販の湿布薬の中には、持続時間が長ーいので
1日1枚で済むモノも。
軟膏・クリーム・ゲル・液・テープ剤…等々。
皮膚の病変や筋肉・関節の炎症に対して、ピンポイントに使います。
夏場の虫刺され、秋冬の乾燥肌…等、
実に多くの外用薬が市販されていますよ~。
最近は、乾燥肌の症状改善に効果のある
『ヘパリン類似物質』を含む市販薬が人気ですね。
医療用医薬品では、狭心症や気管支喘息、麻薬性鎮痛剤の
テープ剤がありますよ。
上記で取り上げた投与経路、
薬の血中濃度と時間の関係をグラフ化すると
こんな感じに↓
内服薬の薬の形態別だと、
(速い)液体・粉末 >> 錠剤・カプセル(遅い)
…という関係に。
液体や粉末は、消化管で速やかに吸収されていきます。
薬の中には、『カプセルの中身=液体やジェル』という
”ソフトカプセル”という形態があります。
外面のカプセルが溶けると、中身は液体・カプセルなので
効果の発現がちょっと速め…という変わり種です。
市販薬を「少しでも早く効かせたい…!」という時は
液体や粉末、ソフトカプセルのモノを選んでみると
良いかもしれません。
液体の市販薬はビンに入っていますが
間違っても『一気飲み』なんてしちゃいけませんよ~。
液体の薬ですが、過去に有名な市販薬絡みの事件がありまして
(気になる人は『アンプル入り風邪薬』で検索してみよう!)
液体の吸収が速く、血中濃度が急速に高くなる事が
原因だったとか。
「カプセルは苦手なんだけど…」「粉薬は無理」
という場合でも、様々な形態の市販薬がありますので
是非『医薬品登録販売者』や『薬剤師』に
気軽に相談してみてくださいね!
名 前:もずく
ブログ:雑記ブログ『もずくの徒然漂流記』
【プロフィール】
生息地:三重県 北中部《田舎・山》
行動範囲:【近鉄沿線メイン】愛知(名古屋)~三重~大阪
看護師経験5年【急性期(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)⇒回復期リハ⇒回復期リハ】
⇒育児しながらブログ
⇒某大手ドラッグストアの『医薬品登録販売者』(パート)
市販薬の勉強をしつつ、ブログ書いたり、マンガ描いたりしてます。
挨拶&自己PR
・病棟看護師として働いてきた経験談
・国試にも出題され、臨床でも必須な『薬理学』
・医療用医薬品と市販薬の話
・身近なカラダの不調の話…等々、看護学生さんが『楽しく読めて、役に立つ』情報を提供していきます。
よろしくお願い申し上げます。