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胃酸に負けるな!胃の防御力を高める《胃》のクスリ【元ナースな医登販のクスリな小噺:第12回】

胃酸に負けるな!胃の防御力を高める《胃》のクスリ

どうも、皆さん。

看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。

看護師の専門知識と経験を活かし、

現在は某大手ドラッグストアで働いています。



《注* “医薬品登録販売者”とは…》

 ・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師

 ・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い

 詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。
胃酸に負けるな!胃の防御力を高める《胃》のクスリ

胃の平和を維持する《もう一つの方法》とは?

前回の記事に引き続き、今回も

“胃痛・胸やけ”に使われる薬の話をお届け。

前回の記事の中で、胃潰瘍の発生には

胃の中の《攻防のバランス》が関わっている…という

『バランス説』について紹介しました。

(詳しくは『疾病・病態』系の授業で学びます。)

 前回は、胃の平和に関わる二大派閥の内、

【攻撃する側(胃酸)を抑える薬】をピックアップしました。

今回は、残るもう一つの派閥である

【防御する側(胃粘液)を有利にする薬】について

解説していきます!

 

防御力upをサポート!《テプレノン》

様々な手段で、胃の防御力upを支えるのがコチラ。



・胃粘液の分泌を増やす

・胃粘膜の血流を良くする

・プロスタグランジンの産生を促す …etc.


↑上記の作用で、胃の防御力upをサポートしてくれます。

 


さて、専門科目でやたら頻繁に耳にする

『プロスタグランジン』というキーワードが出てきましたね。




『プロスタグランジン』は、体内で幅広~い活躍をする物質。

実は、胃に対する作用も持ち合わせていて、

胃の防御力upにも一役買ってくれるんです!スゴイですね~。



テプレノンは、医療用医薬品(セルベックス)の他、

市販薬にも配合されています。

 

粘膜に貼り付くボディガード?《スクラルファート》

上述の”テプレノン”とは違う働き方で

胃を守るのがコチラ。


胃の傷付いた部分にくっつき、膜を形成して


・胃酸などの攻撃因子から胃粘膜を守る

・傷ついた部分の治りを早める


…という良い感じの仕事をしてくれます!


胃の防御力をupする医薬品の中では、

比較的効果が高めとされています。


臨床でも見かける医療用医薬品(アルサルミン)の他、

市販薬も存在します。




★《スクラルファート》ココは要注意!


優れた仕事ぶりを発揮する“スクラルファート”。

何と、その構造中にアルミニウム”を含んでいます。

その関係上、使用にあたって

注意すべき点が2つあります…。



飲み合わせの悪い薬がいくつか存在


アルミニウムが、他の薬の吸収を邪魔するケースが多いです。

(気になる人は『添付文書』中の《相互作用》の欄をチェック!)

腎臓に問題があると使いづらい

透析をしている人は使用NG。

腎機能が低下している人は要注意です。

アルミニウムが上手く排泄できず、

体内に蓄積してしまうからですね…。 

有名な市販薬の成分《メチルメチオニンスルホニウムクロリド》

とても有名な市販薬に含まれる成分がコチラ。




やたら名前が長い薬ですが…


・胃粘液の分泌を増やす

・胃粘膜の血流を良くする


↑上記の働きによって、胃の粘膜を保護。

胃の防御力upをサポートしてくれます。



実はこの成分、キャベツから見つかった

胃潰瘍を抑制する成分なんです!

(別名:ビタミンU)


市販薬が有名ですが、

医療用医薬品(キャベジンUコーワ)も存在します。

(個人的に、臨床現場で見かけた事は無いですが…)






市販の胃薬は、前回の記事でピックアップした

【攻撃側を抑える薬】と、

今回ピックアップした【防御側を有利にする薬】とを

複数配合したモノが大多数。

中には、臨床でも見かける医療用の成分

(H2ブロッカー、テプレノン、スクラルファート)を

配合した製品もあります。

胃の症状に困って市販薬を買う際は、是非

パッケージに書かれた配合成分に注目してみてくださいね。

…とは言え、市販の胃薬はやたら種類が多く、

どの製品に医療用の成分が入ってるか

わかりづらいのが実情かと。

そんな時は是非、“薬剤師”や

“医薬品登録販売者”に相談してみてくださいね〜!