どうも、皆さん。
看護師歴5年・医薬品登録販売者*の『もずく』と申します。
看護師の専門知識と経験を活かし、
現在は某大手ドラッグストアで働いています。
《注* “医薬品登録販売者”とは…》
・市販薬の相談に応じる事ができる公的資格 not 薬剤師
・ドラッグストア等で、白衣を着ている事が多い
詳しく知りたい方は、コチラのブログ記事を読んでみてくださいね。前回の記事に引き続き、今回も
“胃痛・胸やけ”に使われる薬の話をお届け。
前回の記事の中で、胃潰瘍の発生には
胃の中の《攻防のバランス》が関わっている…という
『バランス説』について紹介しました。
(詳しくは『疾病・病態』系の授業で学びます。)
前回は、胃の平和に関わる二大派閥の内、
【攻撃する側(胃酸)を抑える薬】をピックアップしました。
今回は、残るもう一つの派閥である
【防御する側(胃粘液)を有利にする薬】について
解説していきます!
様々な手段で、胃の防御力upを支えるのがコチラ。
・胃粘液の分泌を増やす
・胃粘膜の血流を良くする
・プロスタグランジンの産生を促す …etc.
↑上記の作用で、胃の防御力upをサポートしてくれます。
さて、専門科目でやたら頻繁に耳にする
『プロスタグランジン』というキーワードが出てきましたね。
『プロスタグランジン』は、体内で幅広~い活躍をする物質。
実は、胃に対する作用も持ち合わせていて、
胃の防御力upにも一役買ってくれるんです!スゴイですね~。
テプレノンは、医療用医薬品(セルベックス)の他、
市販薬にも配合されています。
上述の”テプレノン”とは違う働き方で
胃を守るのがコチラ。
胃の傷付いた部分にくっつき、膜を形成して
・胃酸などの攻撃因子から胃粘膜を守る
・傷ついた部分の治りを早める
…という良い感じの仕事をしてくれます!
胃の防御力をupする医薬品の中では、
比較的効果が高めとされています。
臨床でも見かける医療用医薬品(アルサルミン)の他、
市販薬も存在します。
優れた仕事ぶりを発揮する“スクラルファート”。
何と、その構造中に“アルミニウム”を含んでいます。
その関係上、使用にあたって
注意すべき点が2つあります…。
①飲み合わせの悪い薬がいくつか存在
アルミニウムが、他の薬の吸収を邪魔するケースが多いです。
(気になる人は『添付文書』中の《相互作用》の欄をチェック!)
②腎臓に問題があると使いづらい
透析をしている人は使用NG。
腎機能が低下している人は要注意です。
アルミニウムが上手く排泄できず、
体内に蓄積してしまうからですね…。
とても有名な市販薬に含まれる成分がコチラ。
やたら名前が長い薬ですが…
・胃粘液の分泌を増やす
・胃粘膜の血流を良くする
↑上記の働きによって、胃の粘膜を保護。
胃の防御力upをサポートしてくれます。
実はこの成分、キャベツから見つかった
胃潰瘍を抑制する成分なんです!
(別名:ビタミンU)
市販薬が有名ですが、
医療用医薬品(キャベジンUコーワ)も存在します。
(個人的に、臨床現場で見かけた事は無いですが…)
市販の胃薬は、前回の記事でピックアップした
【攻撃側を抑える薬】と、
今回ピックアップした【防御側を有利にする薬】とを
複数配合したモノが大多数。
中には、臨床でも見かける医療用の成分
(H2ブロッカー、テプレノン、スクラルファート)を
配合した製品もあります。
胃の症状に困って市販薬を買う際は、是非
パッケージに書かれた配合成分に注目してみてくださいね。
…とは言え、市販の胃薬はやたら種類が多く、
どの製品に医療用の成分が入ってるか
わかりづらいのが実情かと。
そんな時は是非、“薬剤師”や
“医薬品登録販売者”に相談してみてくださいね〜!