「新卒で訪問看護師になるのは難しいんじゃないの?」
「新卒で訪問看護師になるなんて無理だよ。」
「新卒で訪問看護師なる人なんていないよ。まずは病院でしょ」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
2021年6月6日(日)にICUの経験の後に訪問看護師をしている筆者(かなこ)と新卒で訪問看護師になったミカヅキモなーしんぐさんとで、Twitterのスペースという機能を使って談話会を開催しました。
看護学生さんからベテラン看護師さんまで、たくさんの人に聞いていただき、好評をいただき、とても嬉しく思っています。
スペースでのお話を聞けなかった人のために、談話会の内容を元に新卒で訪問看護師になったミカヅキモなーしんぐさんのリアルな姿を何回かに分けてお伝えしたいと思います♪
についてお伝えします!
・新卒で訪問看護師になりたいという思いのある看護学生さん
・すでに訪問看護師として働いているベテランの看護師さん
・新卒の訪問看護師さんを受け入れたいと思っている方
・興味のあるみなさん
に見ていただけたら幸いです。
現在28歳の男性。
ミカヅキさんは、大学卒業後、地方公務員として働いていました。公務員としての仕事にやりがいや楽しさはなく、趣味のトレーニングで利用していたジムに通っていたときに偶然「訪問看護師」をやっている方に出会い、はじめて訪問看護師という仕事があるのを知りました。
それがきっかけになり、「訪問看護師になりたい!」と公務員をやめて看護師の専門学校に入りました。
最初から「訪問看護師になりたい!」という思いがあったミカヅキさんは、学校の先生からも、同級生からもとてもびっくりされたそうです。
「新卒で訪問看護師になるのは無理だよ」と周りからの否定的な声もあった中、自分の目指したいキャリアをしっかりと考えて、早い段階で周りに発信したり、情報収集をしたり、新卒で訪問看護師になるためにたくさん行動していきます。
新卒で訪問看護師になったミカヅキさんが、新卒訪問看護師を受け入れてくれる職場を探した方法は以下の通りです。
・都道府県の訪問看護ステーション協会に行く
・協会の方から勉強会を紹介してもらう
・勉強会に参加
・勉強会に参加していた訪問看護師と繋がりができる
・新卒訪問看護師を受け入れてくれる訪問看護ステーションを紹介してもらう
・訪問看護ステーションの見学・インターンシップに行く
東京都訪問看護ステーション協会の事業は以下の通りです。
1.訪問看護事業に関する情報収集と情報交換
2.訪問看護事業に関する知識の普及と啓発
3.訪問看護ステーションの経営、看護サービスの質の向上に関する研修
4.訪問看護事業に関する関連団体との連携および交流
5.その他本会の目的を達するために必要な事業
引用HP:https://tokyohoukan-st.jp/
訪問看護師になりたい方に向けて情報発信をしたり、訪問看護師に関わる勉強会・研修を開催したりしています。
現役看護師さん向けの情報が多いように感じますが、新卒で訪問看護師になりたい!という思いがある学生さんにとっても、情報を得られる場所として活用できそうです。
各都道府県にあるので、興味のある方は「お住いの都道府県 訪問看護ステーション協会」で検索してみてください!
訪問看護ステーション協会の方からは新卒で訪問看護師になれる職場の紹介をすることはできないとのこと。
ミカヅキさんは、協会の方から「新卒で訪問看護師になりたい人をうけいれるには?」という現役訪問看護師(管理者)向けの勉強会を紹介してもらいました。
新卒訪問看護師を受け入れたい思いのある管理者クラスの訪問看護師が集まる勉強会に潜入したことで、たくさんの訪問看護師と繋がることができ、そこから訪問看護ステーションの見学に繋がりました。
協会から直接職場の紹介を受けることはできませんが、紹介してもらった勉強会から新卒訪問看護師を受け入れることのできる訪問看護ステーションとの繋がりを作ることができたのですね!
新卒訪問看護師を受け入れてくれる訪問看護ステーションを、現役訪問看護師との繋がりから見つけることに成功しました!
ミカヅキさんは、看護学生の間に5か所の訪問看護ステーションの見学と、インターンシップに参加していました。
新卒で訪問看護師になりたい方へ、ミカヅキさんはステーションの選び方について以下のような考えを話していました。
ミカヅキさんが今の職場を選んだ理由&ステーションの選び方は以下の4つ!
①教育体制がしっかりしているか?
②過去に新卒で訪問看護師になった人がいるかどうか?
③大規模か?
④直感!
まずミカヅキさんが一番に大事にしたのは、新卒に対する教育体制がしっかりしているかどうか?でした。
教育体制が整っていないと、新卒で入る側も、ステーション側もお互い大変ですよね。
・新卒でも訪問看護師になれる「プログラム」があるところ
・「新卒でも訪問看護師になれますよ」と掲げているところ
を選んだそうです。
過去に新卒で訪問看護師になった方がいると安心できますよね。
すでに1人を育て上げている実績もあるので、これから入る側としても、先に新卒で訪問看護師になった方の姿をみて想像しやすいと感じます。
訪問看護ステーションは、病院や診療所に付属しているところだったり、株式会社が運営しているところだったり、様々な形があります。
看護師が常勤換算で2.5人の基準を上回っていれば訪問看護ステーションを作ることができますが、小さいところは経営として安定していればいいのですが、つぶれる可能性がないわけではありません。
小さいステーションだからダメというわけではありませんが、新卒で訪問看護師になりたい方は、大規模なステーションを選んだほうが安心・安全とも言えるかもしれません。
ミカヅキさんの職場はスタッフが20人以上います。
たくさんのスタッフがいれば、それぞれがいろんな経験をしているので、相談もしやすいですし、とても勉強になりますよね。
また、ミカヅキさんの働く職場は
・看護小規模多機能型居宅介護
・ケアプランセンター
・福祉用具センター
の3つが併設されています。
ケアプランセンターがあるため、ケアマネージャーがいて話を聞くことができるそうです。
自分が訪問する利用者さんのケアマネが同じ施設の中にいたらとても心強いですよね。
看護小規模多機能型居宅介護のことを「かんたき」と呼びます。
(現役看護師でもあんまり聞くことのない言葉かもしれません。)
「かんたき(看護小規模多機能型居宅介護)」とは、「訪問看護(介護)」「デイ(通い)」「ショートステイ(泊まり)」の3つを同じ事業所の中で行うことができる地域密着型サービスです。
日中デイサービスで見ている看護師が、夜に訪問することもできます。
日中に訪問した方が、夜泊まることもできます。
「かんたき」はいろんなことができる施設です。
(看護小規模多機能型居宅介護に興味のある方は調べてみてください!!)
ミカヅキさんは、「かんたき」「ケアプランセンター」「福祉用具センター」の3つが同じ事業所の中にある職場を選びました。
在宅で生活する方を支援するための多職種連携が見えやすいですよね。
大規模かどうかは大事なポイントです!!
実際に見学やインターンシップに行ってみて、「ここで働きたい!」と思うかどうか。
感覚とか、直感とか、雰囲気で選ぶのもとても大事です!
管理者さんと話していて、自分の考えと似ている!と思ったり、スタッフのみなさんが楽しそうに働いていると感じたとミカヅキさんは話しています。
《ここで働いている自分を想像できる。》
ミカヅキさんは今の職場の見学でそのように感じたそうです。
直感でここがいい!と思えるのは、働く職場を選ぶときのポイントになりますね。
【プロフィール】
出身:群馬県
看護師歴:5年目
ICUで約3年間働き、たくさんの重症な患者さんと関わってきました。病気をもっていてもその人らしく過ごせること、病気にならないよう予防をしていくことが重要だと考え退職。
1年間、看護師資格と保健師資格を生かして様々なことにチャレンジしてきました。
保健師として特定保健指導を行う中で、不健康がその人にとっての幸せになることがあると学び、一人ひとりの幸せの形を見つけるお手伝いをしたいと考えて訪問看護師にキャリアチェンジしました。縁JOYナース部のメンバー「やりたいことができないのは、受け取り手がいないから」という言葉をきっかけに、
Twitterスペースで「あなたのやりたいことを聞かせてください!〜夢を語る会〜」を主催。やりたいことを受け止めて、夢を叶えるきっかけ作りをしています。
・どうやって新卒訪問看護師を受け入れてくれる職場を探したの?
・ミカヅキモなーしんぐさんが今の職場を選んだ理由
についてご紹介しました!
新卒で訪問看護師になるためには、情報収集が不可欠です。
ミカヅキモなーしんぐさんは、学校の先生には「新卒で訪問看護師は無理だ」と言われますが、都道府県の訪問看護ステーション協会に話を聞きに行き、訪問看護師に関する勉強会を紹介してもらい、勉強会に参加することで現役訪問看護師と繋がることができ、見学やインターンシップに繋がりました。
看護学生のときには、5か所の訪問看護ステーションの見学やインターンシップに参加しています。
新卒訪問看護師になるためには、職場選びがその後の看護師人生を左右するように感じます。
ミカヅキモなーしんぐさんは、ステーションを選ぶ時に意識していたことについて以下4つをあげています。
・教育体制がしっかりしているところ
・過去に新卒で訪問看護師になった方がいるところ
・大規模なところ
・「ここで働いている自分の姿が想像できる」直感や感覚があるところ
職場の選び方は人それぞれです。
しっかりと自分のやりたいことや、なりたい姿を想像して、自分の道を選んでもらいたいです。
新卒で訪問看護師になりたいという思いのある看護学生さんの参考になれば幸いです。